今日は久しぶりに二人とも何も予定がない休日で。
だから。
昨日の夜から和希の部屋で過ごした。
あったかくて。
甘い時間を。
いっぱい。
「おはよう、啓太」
心まで震える優しい音。
大好きな声。
「…おはよ…」
目覚めてすぐそばにいる温もりが嬉しくて。
愛おしくて。
自然と口元が綻ぶ。
「……和希」
カーテン越しに光が見える。
きっともうすぐ昼。
だけど。
二人にとっては「おはよう」だから。
くすくす…。
「なんて、もうすぐ昼だけどな」
「言うなよ…」
大体、誰のせいだと思ってと文句を言いかけたがやめた。
だって。
貴重な”おやすみ”だから。
「なぁ、今日は何する?」
「そうだな、何でもいいよ。啓太は何したい?」
「俺も別に…」
和希と一緒にいられれば……。
「うん、俺も…」
頬に温かい手のひらが触れて、瞼の上に落とされる口付け。
「じゃあ、この後どうしよう…」
「…そうだな」
「あ、俺の部屋来る? もらったお菓子とか借りたゲームもあるぞ?」
「うーん…」
昨日の夜からずっと和希の部屋にいるから、ちょっとした気分転換になるかもと何気なく移動を提案したが和希は予想外の思案顔。
「俺、ちゃんと部屋の掃除してるぞ?」
「そうじゃなくて…」
何せ”カズ兄”は篠宮ばりとは言わないけど、結構”お兄ちゃん”なのだ。
その和希は笑いながら「ちがうちがう」と首を振った。
「?」
「…啓太の部屋だと、外野に邪魔される確率が高くなるだろ?」
「へ?」
「今までだって何度もいいところで色々と……」
「…そうだっけ?」
「そうなの」
こっくりと頷く和希に、無自覚な啓太は「そうかな~」と天井を仰ぐ。
「じゃあ…こっちって言えばいいのに。何でそんなに悩む必要があるんだよ?」
その問いかけに、和希がちょっと意地悪く笑う。
大人の顔で。
「邪魔されないように最初からこっちに避難しておくか、あえて啓太とイチャついてるところを見せて牽制するか…どっちにしようかなって」
「!?」
でも。
「やっぱり邪魔されたくないから。今日は俺の部屋で過ごそう?」
一分一秒。
わずかな時間も無駄になんて出来ないから。
「……うん」
「だから啓太…」
「?」
押される肩。
ぱすん、と柔らかい枕の感触。
「え…っ」
「このままずっと…ここにいて?」
気がつけば。
またベッドの中へと逆戻り。
「ちょっ、和希…っ」
「大好きだよ、啓太」
――反則。
「~~っ」
ずるい。
悔しい。
せっかく起きたのに。
だけど。
「……俺も好き」
たまには。
こんな一日も悪くない。
そんな…二人だけの長いお休み。

◆あとがき◆
いやー…ども(^^;
お久しぶりにSS書いてみましたよ。
単に「どっちの部屋で過ごそうか?」って話なんですけどね(笑)
そんな二人の会話が浮かんだから走り書きですがあげてみました。
えーちなみに今回のBGMは初○ミクの『メ●ト』です。
…ちょっと女の子ぶってみた…。
うわっ、すみません。ぶたないでっ(汗)
でもあれデュエット版もなかなか素敵だよね~。>メ●ト
最初は普通だったのにじわじわハマるなー。びっくりびっくり(笑)
あぁ…もーう。orz
最近、更新なくてホントごめんなさいです(><)
あっちもこっちも続き物が停滞しておりますが、来年はちょっとずつ減らしていきますので。
同時に(このくらいの長さでよければ)SSも励みますー(--;
内容は激しくないです。
何だか枯れ果ててまったりですね…とほほ。orz
でも今後もひっそりとですが、頑張りますよ~(TT)
んでは、ちょっと寝てきますね。
おやすみなさい~ノシ
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