点呼をうまくやり過ごし、二人で過ごす秘密の夜。
「和…希…」
「啓太…」
それ以上何も言わずとも気持ちが伝わる。
微笑んで、引き寄せられるようにキスを交わした。
シングルベッドに二人。
天井を背にした和希はもうクラスメートでも親友でもない恋人の顔。
再び、近づく唇。
ギシリ、と軋むスプリング。
「あ！　かっ和希、待って！」
「ん？　どうした？」
優しい、けれどそれはいつもとは違う大人の目。
「あ…えと…」
漂う色気にのぼせてしまいそうだ。
「…あの、その…」
「ん？」
啓太の頬に手の平が触れ、先を促す。
どんどん朱に染まる頬。
「……」
わずかな躊躇いの後。
意を決した啓太が恥ずかしそうに口を開いた。
「きょ…今日は…一回…いやっ、その…一回じゃなくてもいいんだけど…ちょっとだけというか…えーとっ、あんまり…激しくしないでほしーかな…って…」
「…どうして？　具合悪い？　なら、今日はやめ…」
「そっ、そうじゃなくてっ！」

がしっ！

「具合は全然悪くないし、俺っ、元気だからっ！」
啓太の身体から退きかけた和希のシャツをぎゅっと両手で掴んだまま離さない。
「……啓太？」
和希は、真っ赤になりつつも引き止める啓太を、じっと見つめて言葉を待った。
「……明日の朝は……俺が、和希のこと、起こして…やりたいんだ……」
「啓太…」
「でも…いっぱいしたら…俺、絶対…起きられないから…だから…その…」
最後の方は消え入りそうなくらいの小さな声。
けれど。
この静寂の中では、どれだけ小さな音であろうとも、確かに響いて、和希の耳に言葉を伝えた。
「……」
可愛い願いに思わず、くすりと微笑む。

ちゅっ。

「！」
頬にキスを一つ。
「和…」
唇で触れなかったもう片方の頬を、和希は手の平で愛おしそうに何度も撫でた。
「…わかった。なるべく激しくしないように気をつけるよ」
「…うん、ありが…」
「ただ…」
「…ただ？」
啓太の大きな瞳に映る和希が苦笑しながら頬をかいた。
「約束はできない…かな？」
「……え……」



翌朝、目を覚ましたのはやっぱり和希が先で。
いつもと変わらず甘く甘く起こされた啓太は、瞳を潤ませてむくれたまま布団に潜ってなかなか出てこなかったのだった。





☆寝る前にふっと浮かんだので、携帯から何とかＵＰ…。
おやすみなさーい…(-_-)ｚｚｚ

四月某日。
授業を受け終え、寮に帰り啓太は私服に着替える。
今日は珍しくお手伝いもなかったから宿題をして部屋で過ごしていた。
そろそろ夜のご飯の時間という頃に、ノック音。
理事長室で仕事をしていたらしい和希が顔を出した。
「ただいま、啓太。迎えに来たよ」
「おかえり、和希！　よかった～俺、お腹ペコペコだったんだー」
「タイミングぴったりだったかな」
苦笑しながら後ろ手でドアを閉める。
立ち上がり駆け寄る啓太を和希が抱きしめた。
「…ん？　啓太、お前それちょっと薄着なんじゃないか？」
「え？　そうかな…？　もう春だし、日中は結構あったかいからこれでも大丈夫かと思ったんだけど…」
啓太が着てるのは長袖のＴシャツだ。
でも確かに和希の言うとおり数日前よりはずっと薄手のものではあった。
「んー、でも啓太。お前自分でもちょっと肌寒いって思ってるだろ？」
「……そう言われたら、そういう気になってくる…」
大体、こういう風に和希に抱きしめられたらそう感じるのは当たり前なのだ。
（だって…和希の身体あったかいし…）
腕の中が心地よくて無意識に擦り寄ってしまっていた。
「食堂行く前に着替える？　それとも俺の上着貸そうか？」
「じゃあ…着替える」
「…残念」
口ではそんなことを言いつつも、和希は余裕の笑みを浮かべていた。
恥ずかしいっていうのもあるけれど何より。
「だ、だって……和希の上着を俺が借りたら和希が寒くなっちゃうだろ……」
「そしたら、今度は啓太が温めてくれればいいんだよ。寒くなったらくっつくからさｖ」
「ばっ、馬鹿っ」
わざとらしく抱きついてくる和希を引っぺがしつつ、啓太は着替えようと背を向ける。
「でも和希、俺寒そうに見えたか？　自分じゃそんなに感じなかったんだけど…」
「ん、えーと…それは…」
「ん？」
歯切れの悪い和希に着替えようとしていた啓太は振り返る。
「これ言ったら啓太怒りそうなんだけど…」
「なっ、なんだよ…そんなこと言われたら余計気になるだろっ？」
頬をかく和希に疑問符を飛ばした。
「じゃ言っていいんだな？」
さっきまで躊躇っていたくせに、何故だかそこで和希は意地悪そうに笑った。
「……実はだな」
首を傾げたままの啓太に近づき、和希がするりと腕を絡めながら先程のように抱きしめてきた。
「なっ、ななななっ、何っ！？」
「さっきこうやって啓太を抱きしめたときに…」
「…ときに？」
啓太の肩に顎を乗せて体重をかけながら、和希が腕と手のひらを動かした。
「こうやって…ここを…」
「えっ？」
和希の手のひらが、啓太の胸を撫でた。
「ちょっ！　和希何…っ？」
「啓太のココ…」
片腕は腰を抱いたまま、もう片方の手のひらで執拗に触れる。
「ん…っ、ゃっ」
「…尖ってるだろ？」
「そっ、それは…っ！　和希が…触るからっ」
「まぁ確かに、今は俺のせいだけどさ…」
クスクスと笑いながら、その付近を回すように撫で続ける和希の手を止めようと啓太は腕の中で身じろぐ。
「ちょっ、和希っ…」
「さっき抱きしめたとき、啓太の身体ちょっと冷たかったし…ココも尖ってたんだぞ？」
「うっ、嘘っ」
「ホントｖ」
今度は手のひらでなく、指先で突かれ潰された。
「～～っ///」

――ゴス…っ！！

「…痛～～…だから俺、啓太怒りそうって言ったのに…」
「バカ和希っ！　おおおお怒るに決まってるだろっ、バカっ！　ってか、お前ドサクサに紛れて何して…っ！！」
「だって仕事から帰ってきて早々、可愛い恋人が尖った乳首押し付けてきたらそりゃー男なら誰だって理性飛ぶ…」
「わあぁぁぁぁぁっっ！！！」
「ってことでｖ」

――どさっ。

視点が急に変わった。
「へっ！？」
和希と天井が見える。
「俺ももうさっきから腹ペコでさー……」
「えっ？　ええっ？」
にっこりと悪戯っ子のように笑う和希が覆いかぶさってくる。
耳元で甘く囁いた。
「…いただきます」
真っ赤に染まり震える耳をぱくりと食まれたかと思うと舌がすぐに首筋をなぞって。
「ちょっ、や…っ！！」
薄手の生地が和希の熱い体温を伝える。
「せ…っ！」
Ｔシャツの中にもぐりこんでくる大きな手。

「セクハラ禁止ーーー！！！」

叫びもむなしく、今宵も啓太は美味しく食されたのでした――。




...end？


★春になったからと言ってもまだ朝夕は肌寒いのだ。
そういうときは横着しないで厚着しよう。自分のためにもねｖ
・・・・・・。
つか…和希がオヤジでごめんなさいぃぃ（ぺこぺこ）
でもさ、男の子は女の子と違ってあんまり中に色々着ないから…こんなことだってアリだよね。
ねぇ？！（…聴くな）
夜ご飯、食べ損ねた啓太が一番可哀相だな。すまん。

明日からサイトも4年目突入だというのに…俺はこんな調子でいいんだろうか。orz

とゆーわけでっ、明日は当サイト4回目のお誕生日ですｖ
（同時に友人のお誕生日でもあります。おめでとうｖｖｖ）
操作ミスで予定より一週間早くＯＰＥＮしてしまったというエピがあります当サイト。
いや～なんだかんだで4年目に入りますよｖ
3年間もやってたんだなぁ。
読者の皆々様にはいつもお世話になってます（ぺこ↓）
まだまだ和啓大好きですｖ
妄想はつきません♪
更新は遅いですが、今後とも何卒よろしくお願いします（＾＾）
ヘヴンの波は緩やかで（＝廃れちゃって。涙）寂しいですが、まぁその分…これからも（二次創作の立場ではありますが）幸せな二人を出来るだけ多く綴っていけたらいいなぁとネットの片隅で思っています。
貴女様の興味が尽きるそのときまで…どうかお付き合いくださいませｖ

3年間ありがとうございました！
そして、これからもよろしくお願いいたしますｖ
ホントは日付変わってからやるつもりでしたが、明日は朝から予定があるのでちょっとだけフライングです（苦笑）

ではでは、おやすみなさい（＾＾）ノシ