今日の降水確率は50%。
朝は生憎の曇り空で。
ぽつぽつ、と。
お昼頃から降り出した無数の水滴が地面全体を濡らすまでに時間はそうかからず。
「あーあ。止まないなー」
ホームルーム終了直後に呟くと、立ち上がった和希が座ったまま頬杖をつく啓太の肩に優しく手を置いた。
「啓太、傘は?」
「それが…この間俊介に貸しちゃってさ」
「なら、一緒に帰ろう?」
「え…でも和希、仕事…」
「今日は外に出ないから大丈夫。まあ、俺の仕事が終わるまで待たせてしまうけど…」
理事長室で課題でもしながら待ってて、と言われるとさすがに少し躊躇う。
「でも…」
困った顔をして、なかなか頷かない啓太に和希が声を落として囁いた。
「…相合い傘しよう?」
「!」
和希の手の平が触れた肩から。
一瞬にして、身体中に走る熱。
(…ズルい)
甘えすぎちゃいけないなと思いながら。
だけど。
やっぱり
魅惑的な誘いに惹かれてしまうのも仕方ない。
「啓太」
「~~っ」
駄目押しの甘い声が促す。
「行こうか?」
「……」
窓の外は雨。
止む気配はない。
差し延べられた和希の手。
啓太を待つ極上の、甘い誘惑。
「……うん」
手を重ねて小さく頷く。
雨が嬉しくなったそんな放課後。
☆今、外は雨が降ってるんです(笑)

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