長い間まともに啓太の顔を見られないとき。
声を聞けないとき。
触れられないとき。
仕事に追われ、そんな日が続くと、どんどん自分が飢えていくのがわかる。
カツン、カツン。
闇夜の中、しんと静まり返った寮の廊下を一人で歩くと、呆気なく惑うて堕ちる。
啓太が欲しい、と。
希う狂おしい心。
「……」
和希の気持ちを後押しするように、啓太の部屋のドアはすんなり開いた。
(鍵をかけない啓太が悪いんだよ?)
なんて自分勝手。
でも、これで言い訳を一つ確保。
(キスをして、それから……)
欲を滲ませた瞳で見つめ、甘い言葉を囁き、唇を重ねたら、いつもより少しだけ強引に迫っても許してくれるだろうか。
足音を立てず、息を潜めてベッドの前に立った。
「啓太…」
キスで起こし、耳をはみ、肌を重ねようと決めていたはずだった。
そんな激しい衝動。
だけど。
(……ダメだ)
幸せそうな微笑みを浮かべ安らかに眠る啓太を前にしたら、高ぶっていた気持ちが鎮まっていく。
(啓太はすごいな…)
この眠りを妨げてはいけない。
守りたいという想いがあっという間に凌駕する。
「おやすみ…啓太」
たとえ幾度惑おうと。
俺は、俺からも君を守ってみせるから。
だからどうか今宵、側にいさせてーー。
☆寝顔堪能して就寝。
翌朝啓太に叱られコースです。
額かほっぺにちゅーくらいはしてるでしょう(ぇ)
夜ばいしようと意気込んできたけど、あえなく撃沈した和希様でしたー(コラ)
ベッドに入った瞬間に浮かんだので、短いけどメモがわりにUPしておきます。
おやすみなさいー。

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